主体性を育てるチームづくり:ミーティングを「話し合い」で終わらせないための3つの視点

なぜ、同じように選手同士で話し合っているのに、チームが伸びる時期と、そうでない時期があるのでしょうか。

グラウンドで選手たちに考えさせ、自分たちの足で歩ませようとする。 その試み自体は、本当に素晴らしいものです。 ただ、現場を見ていると、ふと立ち止まる瞬間があります。 「今日のミーティング、一体何が残ったんだろう」って。

先日、あるチームのミーティングやサッカーノートを覗かせてもらう機会がありました。 そこで気づいた、組織を一段階深めるためのヒントをシェアします。

話し合いが「プレー」に変わらない理由

選手主体で進めようとするとき、私たちはついつい「話し合うこと」自体をゴールにしてしまいがちです。 みんなで意見を出し合った。 うなずき合った。 それで満足してしまう。

でも、本当に大切なのはそこからですよね。 ミーティングで話した内容が、その後のプレーにどれだけ反映されたか。 ここが一番の肝です。

もし、「何が改善されて、何ができるようになったのか」がぼんやりしているなら、それはただの時間稼ぎになってしまうかもしれない。 そうならないために、少しだけ視点を変えてみるのです。

プレーを変えるミーティングにするための3つの問い

例えば、「もっと声を出す」という課題が出たとします。 ここで終わらせず、もう少しだけ具体的に掘り下げてみます。

・前半の課題は何だったのか ・後半はどう改善するのか ・改善できた状態とは何なのか

ここまでをセットにするんです。 「後半は守備の切り替えの場面で、必ず3人目が声を出す」 「それができたかどうかを、試合後に自分たちで評価する」

指導者が答えをパッと与えるのではなく、選手自身に問いかける。 「今、何が起きている?」 「どう変えたらいいと思う?」 「それができたら、どんな状態になる?」

このプロセスを踏むだけで、ミーティングは単なる「おしゃべりの時間」から「自分たちの手でプレーを変える時間」へとガラリと変わっていきます。

自分たちのマニュアルを、自分たちで創る

とはいえ、いきなり「さあ、自分たちで話し合ってごらん」と言われても、戸惑う選手の方が多いはずです。 かといって、大人が作った完璧なマニュアルをポンと渡してしまうと、それはもう「やらされる指示待ちサッカー」に逆戻りしてしまいます。

だからこそ、プロセスをデザインする。

先行しているチームの姿を見て、自分たちとの違いに気づく。 何が足りなくて、何を取り入れるべきか書き出してみる。 自分たちの手で、最初のマニュアルを創ってみる。

正解を教わるのではなく、正解に近づくプロセスを自分たちで作る。 この泥臭い試行錯誤の中にこそ、本当の意味での主体性が宿るのだと思います。

サッカーノートに宿る、小さくて確かな変化

もう一つ、見逃せないのがサッカーノートの存在です。 ページをめくると、選手たちのひたむきな想いが伝わってきます。 監督の願いを受け止め、自分がどうなりたいのかをペン先で必死に紡ぎ出している。

最初は「自分のための記録」だったノートに、ふと「他者の目」が入る。 すると、どうでしょう。 「自分の考えはちゃんと伝わるだろうか」 「もっと分かりやすく書くにはどうすればいいだろうか」 そんな風に、自然と他者意識が芽生えていきます。

自分の内側を見つめる力と、外の世界とつながる力。 ノートという小さな紙の上で起きているその変化は、そのままグラウンドでのアイコンタクトや、仲間とのコミュニケーションに直結していくはずです。

あなたの周りには、選手が自分の言葉で未来を語り出す環境がありますか。

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