
掘り出し物になろう③
――価値は、置かれた場所で変わる。
同じ人なのに、
場所が変わると、こんなにも違うのかと思うことがある。
前の場所では、あまり評価されなかった人が、新しい場所では、なくてはならない存在になっている。
逆に、以前は中心にいた人が、場所が変わると、なかなか力を発揮できないこともある。
人の価値って、いったい何なのだろう。
実は、人そのものが変わったのではないのかもしれない。
ただ、持っている力を発揮できる場所に、まだ出会っていなかっただけなのかもしれない。
魚を木に登らせて、「どうして登れないんだ」と言っているようなものだ。
走ることが得意な人もいれば、人の話をじっくり聞くことが得意な人もいる。
前に出ることが得意な人もいれば、誰かを支えることで力を発揮する人もいる。
すぐに答えを出せる人もいれば、時間をかけて考えるからこそ、深い答えを見つけられる人もいる。
なのに私たちは、ときどき一つの物差しで人を測ってしまう。
「仕事が遅い。」
「積極性がない。」
「もっとできるはずなのに。」
そんな言葉の向こう側に、その人の持っている別の力が隠れていることがある。
だから、人を見切るのは、少しだけ待ってみたい。
「この人は、こんな人。」
そう決める前に、もう一度見てみたい。
その人が輝く場所は、今の場所とは違うのかもしれない。
そして、それは自分自身にも言える。
今いる場所でうまくいかないからといって、自分に価値がないわけではない。
今の環境で評価されないからといって、自分がダメな人間だと決まったわけでもない。
もしかしたら、まだ自分の力を生かせる場所に出会っていないだけかもしれない。
だから、焦らなくていい。
場所を変えることも、見方を変えることも、関わる人を変えることも、人生には必要なことがある。
そして、もし誰かのことを「この人は無理だ」と思ったときも、一度だけ考えてみたい。
「この人が力を発揮できる場所は、別にあるんじゃないか。」
そう考えられる人は、人を簡単に見捨てない。
そして、そんな人の周りには、いつの間にか人が集まってくる。
誰かを輝かせることのできる人は、自分自身も輝いていく。
掘り出し物というのは、宝物を掘り当てることだけではない。
誰かの中に眠っている力を見つけること。
そして、自分の中に眠っている力を信じること。
「まだ見つかっていないだけ。」
そう思って、今日も一歩進んでみよう。
いつか振り返ったとき、
「あの場所では見つからなかったけれど、ここに来たから見つかった。」
そんな人生になるかもしれない。
あなたの価値は、
今いる場所だけでは決まらない。
あなたの可能性は、
誰かの評価だけでは決まらない。
だから、掘り出し物になろう。
そしてできれば、
誰かの中に眠っている「掘り出し物」を見つけられる人にもなろう。
世の中には、まだまだたくさんいる。
誰にも見つけてもらえていない人が。
もしかすると、
あなたの隣にも。
そして、もしかすると、
あなた自身も。

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