なぜ、どれだけ熱心に教材研究を重ねても、子どもたちの目がどこか曇ってしまい、主体的な学びが生まれない授業があるのでしょうか。
教壇で一人格闘し、決められたカリキュラムをこなすだけで精一杯になってしまう。
そんな状況を変えるために、個人の学びや授業の質に寄り添うアプローチと、組織全体で授業を創り上げる仕組みをどう作っていけばいいのか。
実際の現場を思い描きながら、その本質を探ってみます。
教育の質や子どもの学びを考えるとき、個人のセンスや一人の教師の頑張りにすべてを委ねる指導には限界があります。
かといって、形式的な指導案やマニュアル通りの一斉授業では、多様な子どもたちの心を動かすことはできません。
大切なのは、個人の実践や子どもの姿に寄り添う個へのアプローチと、学校全体で知恵を出し合う組織へのアプローチを両輪で回すことです。
まず、個へのアプローチの基本は、実際の授業の様子や子どもの反応を丁寧に観察し、そこから出発することから始まります。
具体的なステップはこうです。
授業参観・観察、対話・面談、課題・強みの把握、個別OJT、授業改善・振り返り。
授業参観や日々の観察で子どもの姿や教師の立ち居振る舞いを捉え、対話や面談を通して現在の課題や強みを深く把握する。
そして、個別OJTで具体的なアドバイスを送りながら、毎日の授業を振り返って改善を重ねていく。
これらは、表面的なテクニックに頼らず、教師自身の授業力を内側から高めていくための大切なプロセスです。
一方で、個人の孤軍奮闘を抜け出し、学校全体で教育の質を引き上げる土台となるのが組織へのアプローチです。
こちらは、研究授業、研究協議会、ワールドカフェ、協働的な授業改善、実践共有・検証改善。
互いの授業を公開する研究授業を開き、本音で意見を交わす研究協議会やワールドカフェを行う。
教員同士が知恵を出し合う協働的な授業改善を進め、優れた実践を共有して検証と改善のサイクルを回していく。
個人の経験則に依存するのではなく、学校全体が学びの共同体としてアップデートしていく視点が不可欠です。
結局のところ、教師一人ひとりの授業への情熱を大切にしながら、チーム全体で教育の質を磨き合う仕組みをつくること。
それが、結果的に子どもたちの主体的な学びを引き出し、学校全体をワクワクする知的探究の場所へと変えていきます。
あなたの周りには、自分の授業を開き、お互いに率直な意見を交わしながら共に授業力を高め合える環境がありますか。
明日から、同僚の授業を見せてもらったり、自分の授業の小さな工夫について語り合ったりすること。
そこから、子どもたちの未来を創る授業の第一歩を始めてみませんか。

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