2026年度 JFA U-12ガールズ ゲーム東海(静岡県開催)

「だから、このチームは強かったのか。」

東海ガールズゲームを見に行って、
今でも強く印象に残っているチームがある。

もちろん、優勝したチームだ。

でも、
印象に残った理由は、
単純に「強かったから」ではない。

むしろ、

「このチームは、どうしてこんなにまとまっているんだろう」

という不思議さだった。

試合中の声。
苦しい時間帯でも崩れない守備。
ベンチの空気。
出場していない選手の関わり方。

何かが、他チームと違っていた。

他チームは「指導者の周り」に集まっていた

大会中、
多くのチームは、
試合前後になると指導者の周りに集まっていた。

指示を聞く。
話を聞く。
修正を受ける。

これは普通の光景だと思う。

でも、
この優勝チームは少し違った。

選手たちが集まっていたのは、

“ホワイトボード”

だった。

しかも、そのホワイトボードを隠していなかった

もっと驚いたのは、
そのホワイトボードを、
指導者が隠していなかったことだ。

普通なら、
戦術やミーティング内容は、
他チームに見せないようにする。

でも、このチームは違った。

荷物置き場のところに、
誰でも見えるように、
普通に置いてあった。

そこには、

* 声が少ない
* プレスが遅い
* 限定
* アップ
* ダウン
* インターセプト
* 体を入れて守れている
* 共通の言葉

など、
選手たちが整理した言葉が並んでいた。

最初はただのメモに見える。

でも、
試合を見たあとにもう一度見ると、
ハッとする。

「ああ、このチームは、
自分たちで試合を整理しているんだ」

と。

「主体性」が、言葉だけではなかった

最近よく聞く。

* 主体性
* ボトムアップ
* 選手中心

でも、
実際には難しい。

結局、
大人が話した方が早い。

指導者が整理した方が、
ミーティングはまとまる。

だから、
“主体性っぽいもの”で終わることも多い。

でもこのチームは、
少なくとも「始めていた」。

完成形ではない。

それでも、

* 選手たちが試合を振り返る
* 自分たちで言葉を整理する
* 共通言語を作る
* 次の試合へつなげる

そんな流れが、
実際に起きていた。

しかも、
小学生年代の女子チームで。

これはかなり衝撃だった。

0-0のPK勝ちを見て、納得した

特に印象的だったのは、
0-0からPK戦で勝ち切った試合。

派手な試合ではない。

でも、
全員で守っていた。

声が切れない。

誰か一人ではなく、
みんなでカバーしている。

あの試合を見たあと、
ホワイトボードの

* プレスバック
* 限定
* 共通の言葉

を見返すと、

「ああ、これを本当にやろうとしていたんだ」

と分かる。

だから強かったのか、と。

一番驚いたのは、「出ていない選手」の姿

決勝戦では、
出場していない選手もいた。

でも、
その選手たちが、
ベンチでホワイトボードを書いていた。

悔しかったと思う。

それでも、

* 何が良かったか
* 何が課題か
* どんな声が出ていたか

を整理し、
仲間へ伝えようとしていた。

これが、
このチームの空気を作っていたんだと思う。

「出ていない選手も、
ちゃんとチームの中にいる。」

そう感じるチームだった。

この光景に、どれだけの人が気づいただろう

大会には、
たくさんの保護者、
指導者、
関係者が来ていた。

配信も行われ、
結果やプレーは多くの人が見ていたと思う。

でも、
本当に取材されるべきだったのは、
「優勝した」という結果だけではなく、

“どうやって、そのチームが作られていたのか”

ではないだろうか。

試合前後、
選手たちは指導者の周りではなく、
ホワイトボードの周りに集まっていた。

自分たちで整理し、
自分たちで言葉を共有し、
自分たちで次へつなげていく。

しかも、
そのボードは隠されていなかった。

「見たければ見ていい」

そんな空気すら感じた。

そこに書かれていたのは、
特別な戦術ではない。

* 限定
* プレスバック
* インターセプト
* 声
* 共通の言葉

どれも、
サッカーでは当たり前の言葉だ。

でも、
“選手自身が整理していた”
という点が決定的に違った。

最近、
日本サッカー界では、

* 主体性
* ボトムアップ
* 選手中心

という言葉が本当に増えた。

そして、
森保一 監督自身も、

「ピッチの中で選手が判断すること」
「選手同士で解決すること」

の重要性を繰り返し語っている。

もしそうなら、
JFAが本当に見るべきなのは、
育成年代で、

“それを実際に始めているチーム”

なのではないだろうか。

もちろん、
完成形ではないと思う。

うまくいかない日もあるはずだ。

それでも、
小学生年代の女子チームが、

* 自分たちで振り返り
* 自分たちで言語化し
* 出ていない選手まで巻き込み
* 次の試合へつなげていく

そんな景色を、
実際に作っていた。

これは、
単なる「いい話」ではなく、

これからの日本サッカー育成のヒントかもしれない。

だからこそ、
ぜひJFAには、
こういうチームを取材してほしいと思う。

そして、
ただ紹介して終わるのではなく、

“なぜこのチームが、こういう空気を作れていたのか”

を、
ぜひ他のチームの指導者にも分かる形で伝えてほしい。

試合結果や戦術分析だけではなく、

* なぜ選手たちがホワイトボードへ集まっていたのか
* なぜ出ていない選手まで試合に参加できていたのか
* なぜ0-0の苦しい試合を全員で耐え切れたのか
* なぜ「共通の言葉」がチームを支えていたのか

そこを掘り下げてほしい。

最近は、

* 主体性
* ボトムアップ
* 選手中心

という言葉は本当に増えた。

でも、
現場ではまだ、

「結局どうやればいいのか分からない」

という指導者も多いと思う。

だからこそ、
実際に起きていた“リアルな実践”を、
見える形にしてほしい。

しかも今回は、
特別な設備があったわけでも、
有名な分析機材があったわけでもない。

たった一枚のホワイトボードだった。

でも、
そこには、

「選手が自分たちで考える」

という空気が、
確かに存在していた。

だから、
これは単なる優勝チームの話ではなく、

これからの育成を考える上で、
多くの指導者が見る価値のある実践だったように思う。

ぜひ、
「あのチーム強かったね」で終わらせず、

“なぜ強かったのか”

を、
日本全体で共有してほしい。

たった一枚のホワイトボード。

でも、
あのボードの周りに集まっていた景色こそが、
この大会で一番印象に残っている。

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