こんな場面、ありませんか。
子どもが困っている。
手が止まっている。
何をしたらいいか分かっていない。
そのとき、どうしますか。
多くの先生はこう動きます。
「ここはこうするんだよ」
「次はこれをやるんだよ」
丁寧に説明する。
分かるように導く。
とても大事な関わりです。
でも、少しだけ考えてみてください。
その瞬間、誰が考えているでしょうか。
子どもでしょうか。
それとも、先生でしょうか。
実はここに、大きなズレがあります。
子どもが止まったとき、先生がすぐに埋めてしまう。
するとどうなるか。
子どもは考えなくてよくなる。
そして、こう学びます。
「止まれば、先生が教えてくれる」
これは一見、うまくいっているように見えます。
でも実際には、主体性を少しずつ削っています。
では、どうするか。
答えはシンプルです。
“教える前に、問い返す”
例えばこうです。
「今、何に困ってる?」
「どうしたらよさそう?」
「どこまで分かってる?」
すると、子どもは一度考えます。
言葉にしようとします。
ここで初めて、思考が動きます。
もちろん、すぐに答えは出ません。
沈黙も生まれます。
でも、その時間こそが大事です。
その“間”を奪わないこと。
それが、主体性を育てる関わりです。
そしてもう一つ。
子どもが出した不完全な答えを、すぐに「違う」と直さないこと。
「なるほど、そう考えたんだね」
「その考え、いいね。じゃあここはどう?」
つなげる。広げる。
すると子どもは、
「自分の考えで進めていいんだ」と感じる。
ここに安心感が生まれます。
そして、その安心感の中で、また考えようとする。
主体性は、そうやって積み上がっていきます。
ここで問いです。
あなたの教室は、子どもが止まったとき、すぐに“正解”が与えられる場所になっていませんか。
それとも、立ち止まって考えることが許される場所になっていますか。
主体性とは、最初からうまくできることではありません。
迷いながら、考えながら、少しずつ自分で進めるようになることです。
最後に。
教えることを、少しだけ我慢する。
それだけで、子どもは動き出します。
止まっているように見える時間こそ、実は一番、主体性が育っている時間です。

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