保護者は何を見に来ているのか

授業参観の日。

教室を見渡している保護者は、先生を見ているでしょうか。

違います。

隣の子を見ているでしょうか。

それも違います。

保護者が見ているのは、たった一人。
我が子です。

「今日はどんな表情をしているかな。」
「友達と関われているかな。」
「頑張っている姿が見られるかな。」

それだけを楽しみに仕事を休み、時間をつくって学校へ来ています。

だから、教師が40分間説明し続ける授業では、保護者は我が子の姿を見る時間がほとんどありません。

本当に見てほしいのは、友達と考えを伝え合う姿。
困っている友達を助ける姿。
自分の考えを一生懸命伝える姿。

つまり、子どもが主役になっている授業です。

しかも、それは授業参観の日だけ特別に演出してはいけません。

毎日の授業がそうであるからこそ、本物です。

これはサッカーも全く同じです。

試合会場で保護者が見ているのは、チームではありません。

監督でもありません。

我が子です。

20人のチームで、いつも11人しか試合に出ない。

残り9人はベンチ。

最初のうちは保護者も応援に来ます。

でも、何試合も出場機会がなければどうでしょう。

「今日も出ないだろう。」

そう思えば、会場へ足を運ぶ回数は自然と減っていきます。

つまり、サポーターが一人減るのです。

9人が試合に出られなければ、9家庭の応援が遠ざかる可能性があります。

一方で、公式戦は難しくても、練習試合や育成の場で一人ひとりに出場機会を保障すればどうでしょう。

「今日は出るかもしれない。」

その期待があるだけで、保護者は応援に来ます。

サポーターは減りません。

私は、育成年代の指導者が一番大切にしなければならないことの一つは、ここだと思っています。

サッカーは、子どものためにあります。

そして、その子どもを一番応援してくれているのは保護者です。

その保護者を大切にすることは、チームを大切にすることでもあります。

学校も同じ。

サッカーも同じ。

「一人の子どもを大切にすること」が、「一人の保護者を大切にすること」につながる。

その積み重ねが、応援される学校をつくり、応援されるチームをつくるのではないでしょうか。

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