「吾亦紅(われもこう)」って何?
最初、読めなかった。
そんなタイトルの歌がある。
この歌に込められた、母親への感謝や、「ありがとう」を伝える大切さ情景。
吾亦紅に寄せて ——「ありがとう」を、今、あなたに
庭の片隅に、いつの間にか咲いていた吾亦紅。
華やかでもない、目立つでもない、けれど凛としてそこにある。
そんな花を見て、ふと思い出すのは、母の背中だった。
「吾亦紅」は、すぎもとまさとさんの歌。
年老いた母を思う子の視点で語られる、静かで、深い一曲だ。
派手な言葉はない。ただ、心に刺さる。
その理由は、きっと、誰もが「伝えられなかったありがとう」を
胸にしまって生きているからだと思う。
母はいつも、あたりまえのようにそこにいて、
あたりまえのように支えてくれていた。
朝、冷えた手で弁当を作ってくれたこと。
大したことじゃないと笑いながら、自分のことを後回しにしてくれたこと。
すべてが、あたりまえじゃなかったのに。
気づいたときにはもう、言葉が追いつかない。
伝えたい思いはあるのに、うまく口にできない。
だからこの歌が心に響くのだ。
「せめて一度、ありがとうと言えばよかった」と。
でも、まだ間に合うのなら。
その手がまだ温かいのなら。
その背中がまだ見えるのなら。
今日、「ありがとう」と言おう。
吾亦紅の花言葉は、「変わらぬ愛」。
時間が経っても、季節が巡っても、
親が子を思う気持ちは、変わらない。
だけど、私たちは変わってしまう。
忙しさに紛れて、照れくささに負けて、
感謝の言葉を飲み込んでしまう。
だからこそ、今だ。
「ありがとう」
その一言で、きっと救われる人がいる。
その一言で、自分の心も軽くなる。
母の日でも、誕生日でもない、なんでもない今日でもいい。
顔を見るのが照れくさいなら、電話でもいい。
メールでも、手紙でも、花一輪でもいい。
伝えてほしい。
あなたの「ありがとう」が、
誰かの胸を、あたたかく染めるから。
吾亦紅が揺れている。
小さく、強く。
そして、あなたの心も、そっと揺れているはずだ。
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