よく考えてみると、100万冊売れたら「すごい」と言われる本でも、
1億人の中では、たった100人に1人しか読んでいないんですよね。
数字にしてみると、急に現実味を帯びてきます。
100万人の読者がいるのに、それでも“100人に1人”。
つまり、99人は読んでいないということです。
学校に置きかえてみると
職員が50人いる学校で考えてみました。
もし、そのうち1人でも自分の書いた文章をちゃんと読んでくれていたら――
それって実は、とてもすごいことなんじゃないかと思うんです。
たった1人。
でも、その1人に届くことが、どれだけ価値のあることか。
それは数字では測れません。
「全員に読まれよう」としなくていい
以前、元校長が言っていました。
「全員に読んでもらおうなんて考えるな。
1人が読んでくれたら、それで十分だ。」
当時は「そんなものかな」と思っていましたが、
今はその言葉の意味が、実感をもってわかります。
100人に1人の本が“ベストセラー”なら、
50人のうちの1人が読んでくれる文章も、立派な“ヒット作”です。
届いた、その1人を大切に
みんなに伝わる言葉を目指すより、
届いた1人とのつながりを大切にするほうが、
たぶん、ずっと本質的なんだと思います。
「誰か1人に届けば、それで十分」
――そんなふうに思えたら、書くことも、伝えることも、きっともっと自由になれます。

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