マルかバツを言わない。
でも、放っておかない。
その間にあるのが、
評価しない言葉です。
1.まずは受け取る(思考を止めないための言葉)
❌ ありがちな評価
• いいね
• それは違う
• 正解/惜しい
⭕ ニュートラルな言い換え
• 「へー、なるほどね」
• 「そう考えたんだね」
• 「今はそう見えたんだね」
▶ 効果
脳が“安全”と判断し、思考を続けられる。
2.聞いていたことを可視化する(非認知能力を褒める)
⭕ 言い換え
• 「今の意見をちゃんと聞いていたから、出てきた考えだね」
• 「頷きながら聞いていたの、先生見てたよ」
• 「前の意見を受け取って考えてるね」
▶ 効果
「聞くこと=学習」という認識が育つ。
3.同意・不同意を安全にする
❌ 危険な返し
• 同じ?違う?
• 賛成?反対?
⭕ 言い換え
• 「どのあたりが近いと思った?」
• 「同じ中でも、少し違うところある?」
• 「引っかかったのはどこ?」
▶ 効果
白黒思考から、グラデーション思考へ。
4.沈黙を“失敗”にしない言葉
⭕ 言い換え
• 「今、頭の中で考えてる時間だね」
• 「まだ言葉にならなくていいよ」
• 「聞いてるだけでも参加だよ」
▶ 効果
「話さない=ダメ」を防ぎ、安心を守る。
5.意見を“個人の勇気”で終わらせない
⭕ 言い換え
• 「その意見が出たおかげで、考えやすくなった人いる?」
• 「今の話で、見えたことある?」
▶ 効果
発言が“場の財産”になる。
6.ズレた意見を学びに変える
❌ すぐ修正
• それは違う
• そうじゃなくてね
⭕ 言い換え
• 「なぜそう思ったのか、教えて」
• 「その見方で見ると、何が見える?」
• 「そこから考える人、他にもいる?」
▶ 効果
間違いが思考の入口になる。
7.まとめずに、次へ渡す言葉
⭕ 言い換え
• 「今の意見、どうですか?」
• 「ここまで聞いて、あなたはどう考えた?」
• 「一回、今の考えを持ったまま次に行こう」
▶ 効果
教師がまとめないから、子どもが考え続ける。
8.学び方を言語化して返す
⭕ 言い換え
• 「人の意見を受けて、自分の考えをつくってるね」
• 「違いに目を向けてるのがいいね」
• 「考えを修正できてるの、力だよ」
▶ 効果
非認知能力が“自覚できる力”になる。
9.場に感謝と敬意を生む言葉
⭕ 言い換え
• 「言ってくれてありがとう」
• 「その一言で、救われた人いると思う」
• 「今の空気、いいね」
▶ 効果
思いやりと感謝が文化になる。
10.最後に|評価しない=責任放棄ではない
評価しない言葉は、
• 教師が楽をするためでも
• 何でもOKにするためでもありません。
評価を“遅らせる”ことで、学びを深くする技術です。
今日の一言メモ
「正しいかどうか」より、
「どう考えたか」を扱う。
これができた瞬間、
教室は「答えの場」から
学び方を学ぶ場に変わります。

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