環境問題

「教室環境って、掲示物だけじゃないんだ」──ベテラン教師が語る“教室改革”の第一歩

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主体的対話的で深い学び 
新任教師

新任や若手の教師が「教室環境」と聞いてまず思い浮かべるのは、掲示物や清掃状態。しかし、ベテラン教師は言います。「環境とは、それだけじゃない」と──。
本記事では、若手教師2人とベテラン教師との対話を通して、6種類の教室環境と、最も効果的な改革の一歩としての「座席配置の見直し」について考えていきます。

目次

教室環境って何? まずは問いから始まる

佐藤:ところで、ふたりは「教室環境」って聞いて、どんなことを思い浮かべる?

中田:やっぱり掲示物ですかね。季節感があって、きれいに整ってるかどうかとか。

新井:僕は黒板の整理整頓とか、床にゴミが落ちてないかとか…。そういう物理的なことを思い浮かべます。

佐藤:うんうん、その感覚、すごくよく分かるよ。実際、私も若い頃は同じように思ってた。でも、教室環境って実はもっと深いんだ。

新井:深い…ですか?

佐藤:そう。例えば、先生たちが子どもにかける「言葉」も環境なんだよ。

座席配置を変えるだけで学びが変わる?

佐藤:実は教室環境って、最低でも6種類あるんだよ。①言語、②表情、③物理、④掲示、⑤関係性、⑥座席配置。その中でも一番インパクトがあるのが座席配置なんだ。

中田:えっ、そんなに? 座席を変えるだけで?

佐藤:そう。授業や子どもの表情まで変わるんだよ。

100年前から続く“前向き神話”を疑え

佐藤:100年前の日本の教室と今の教室、座席配置が変わってないって知ってる? 黒板は電子になっても、机の向きはそのまま。一斉前向きスタイル。

新井:……言われてみれば、確かに。

佐藤:でもね、「主体的・対話的で深い学び」って言ってるのに、始まりが“受動的”じゃ、おかしいでしょ。

コの字型がつくる「つながる学び」

佐藤:コの字型にすると、目線が交わる、表情が見える、自然と会話が生まれる。それだけで“対話的”が始まる。

中田:でも黒板が見にくくなりませんか?

佐藤:黒板を中心にしなくていい学びもある。むしろ、今の時代は子ども同士のつながりが中心になるべき。AIに聞いても「コの字型」「アイランド型」が出てくるよ。

まとめ:環境は、教師の信念が表れる場

教室環境とは、掲示や清掃だけではなく、言葉・表情・掲示・関係・座席配置にまで及ぶもの。
特に「座席配置」は、授業観・子ども観を最も分かりやすく表す環境です。
今すぐできる改革として、まずは「前向きが当たり前」という常識を疑い、「コの字型」を試してみる。それが、主体的・対話的で深い学びの第一歩になります。

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