【対談】部活動の地域移行――「教員の解放感」と「地域の混乱」の間で
教員は「やっと自由になれた」
A:
地域移行で一番最初に出てくる声は、やっぱり教員の「ほっとした」という反応だよね。
B:
うん。部活動ってこれまで土日も関係なく、しかも無報酬でやってるのが普通だったから、「やっと土日が自由になった」って言ってる先生、すごく多いよ。
A:
働き方改革の文脈で見れば、確かに大きな前進ではあるんだよね。
ただし、地域は準備不足のまま丸投げ状態?
B:
でもその一方で、地域側は「いきなり任されても…」って感じだよね。クラブ立ち上げに力を入れてる市町もあるけど、パンフレット配って「はいどうぞ」って終わってるところもある。
A:
「地域との連携」っていう言葉がきれいすぎるんだよね。実際には、行政が責任を手放して、現場と地域に丸投げしてるように見えるっていう指摘も出てきてる。
「教員に時給を払えば済んだ話では?」という声も
A:
最近、「そもそも教員にちゃんと報酬を払っておけば、こんなに複雑な地域移行はいらなかったんじゃない?」って言ってる人がいてさ。
B:
例えば、時給3000円で副業OKにして、保護者が一定の受益者負担をして、そのお金を自治体が透明に管理する。そんな仕組みなら、教員がそのまま部活を続けることもできたかもね。
A:
結局、移行の制度づくりの過程で、「お金」「人材」「仕組み」の三拍子が揃ってなかった。見切り発車だったってことだよね。
「誰のための制度だったのか」を問い直すとき
B:
教員の負担が減ったのは間違いないけど、それによって地域と子どもたちに新たな混乱や不安が生まれてるのも事実。
A:
この制度改革、「誰のためのものだったのか?」っていう問いは、もっと真剣に向き合わないといけない気がする。現場の声も、地域の声も、もっとすくい上げていく必要があるよね。
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