【樺沢紫苑先生に学ぶ】「もうダメだ…」と落ち込む若手教員へ。心を軽くする脳科学的思考法

若手の皆さん、毎日お疲れ様です。
児童対応や保護者連携、時間をかけた授業がうまくいかなかったとき、「どうして私だけこんなにダメなんだろう」と、夜中にふと自己嫌悪に陥ることはありませんか?
教師という仕事は責任感が強いほど、自分の失敗を重く受け止めがちです。しかし、その「落ち込み」から抜け出すヒントを、精神科医である樺沢紫苑先生の脳科学的な教えから得ることができます。
樺沢先生の教えは、「気持ちを少しでも楽にし、再び前向きに行動するための具体的な技術」です。ここでは、壁にぶつかったときに心を回復させるための、3つの重要な学びをご紹介します。
学び1:脳を支配する「言葉の魔力」を使いこなす
私たちは、つい口にしてしまう「口癖」が、自分の脳の働きを大きく左右していることを知っておく必要があります。
脳はネガティブな言葉でパフォーマンスを下げる
授業の失敗や児童への指導がうまくいかなかったとき、「私には能力がない」「もうダメだ」とネガティブな言葉を口にしていませんか?
樺沢先生は、こうした言葉を繰り返すことで、脳はその回路を強化し、本当にパフォーマンスを低下させてしまうと指摘します。さらに、脳は「主語」を理解しないため、人への悪口や誹謗中傷は、そのまま自分自身にストレスをかけるのと同じ効果があるのです。
「なんとかなるさ」が脳を起動させる
一方で、「なんとかなるさ」「私は大丈夫だ」とポジティブな言葉を口にすると、脳内ではドーパミンなどのポジティブな物質が分泌されます。これは、脳の「やろうとする回路」を強化し、集中力や記憶力を高め、実際の行動力も向上させるスイッチです。
重要なのは、根拠がなくてもいいということ。失敗しても、まず「まあ、しょうがない。次はなんとかなる」とつぶやく。この一言が、ネガティブな感情を断ち切り、脳を前向きに再起動させる第一歩になります。
学び2:過去の失敗を「希釈」するポジティブ・フォーカス
壁にぶつかったとき、私たちは過去の失敗や厳しい経験を何度も思い出し、そのネガティブな感情に囚われてしまいがちです。
樺沢先生は、ネガティブな記憶を「消す」のは難しいが、新しい記憶で「希釈(きしゃく)する」ことは可能だと言います。
ネガティブな出来事にばかり注目していると、その記憶がどんどん強化されてしまいます。そこで、意識的に「楽しいこと」「ポジティブな体験」を増やし、脳のキャパシティをポジティブな情報で満たしていくことが重要です。
⭐︎ 実践:「1日1回楽しいことチャレンジ」
これは、日々の生活の中で、意図的に楽しい予定を一つ作るというシンプルな方法です。
• 帰り道に、話題のスイーツを買って食べる。私ならラーメンかなあ!
• 寝る前に、大好きな映画を30分だけ見る。Amazon primeたくさん観ています!
• お昼休憩に、ちょっと足を伸ばして美味しいランチを食べる。やはり、ラーメンか!
仕事の悩みや失敗があった日でも、この小さな「ご褒美」があれば、「今日はこれでチャラ」と気持ちを切り替えることができます。これを続けることで、脳は自然とポジティブな出来事を発見する能力が高まり、過去の失敗を考える時間や余裕がなくなっていくのです。
学び3:気持ちを即座に切り替える「究極の口癖」3選
落ち込んだり、苛立ったりした感情を、その場ですぐに断ち切るための具体的な「言葉」を、樺沢先生は紹介しています。これは、感情に支配されず、行動を促すための究極の切り替えフレーズです。
① 「しょうがない」
何か問題やトラブルが起きたとき、まずこの言葉を唱えましょう。
「過去と他人は変えられない」という心理学の原則通り、起こってしまったことを後悔しても意味はありません。この言葉は、ネガティブな感情から意識を切り離し、ニュートラルな状態に戻すための、魔法のフレーズです。
② 「それはそれとして、じゃあどうする?」
「しょうがない」で過去を断ち切ったら、次はこれです。問題の原因を掘り下げるのではなく、「今、未来のために何をすべきか(To Do)」に焦点を当てます。
保護者からの厳しい指摘があった→「それはそれとして、じゃあ、明日何をフィードバックして、どういう行動を取ろう?」と考える。考える方向を「過去」から「未来の行動」に変えることで、人は前進できます。
③ 「まあいいか」「それでいい」
この言葉は、自分を追い詰めることから解放するための、自己肯定の言葉です。
多くの人は「これじゃダメだ」「もっと完璧にやらなきゃ」と自分を痛めつけ、それが大きなストレス源になっています。授業準備が完璧でなくても、「今日はこれくらいでまあいいか」と区切りをつける。結果が伴わなくても、「今の自分の実力ならそれでいい」と認める。
この言葉で、無意識のうちに自分にかけていた重圧から解放され、心が軽くなります。
まとめ:自分の言葉と行動で「できる自分」を作る
児童対応や授業づくりで壁にぶつかるのは、あなたが真剣に取り組んでいる証拠です。
「なんで自分はダメなんだ」と感じたときは、ぜひ樺沢先生からのこの学びを思い出してください。
1. 「なんとかなるさ」とつぶやき、脳を味方につける。
2. 「1日1回楽しいことチャレンジ」で心をポジティブな情報で満たす。
3. 「まあいいか」と自分を肯定し、心をストレスから守る。
あなたの言葉と行動一つひとつが、「できる自分」「乗り越えられる自分」を作ります。どうぞ、ご自身の心を大切に、日々の教育活動に励んでください。

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