他人の顔色より、自分を信じる勇気を ― 教職員と子どもに共通するセルフエスティームの育て方

「他人の顔色はどうでもいい!自分の道を信じて進め!」
この強いメッセージに、ハッとさせられる人も多いのではないでしょうか。特に私たち教職員は、日々子ども・保護者・同僚など多くの人に囲まれ、つい周囲の評価を気にしてしまいがちです。けれども本当に大切なのは、「自分を信じる力=自己信頼感」を育むことです。そしてこれは、大人だけでなく教室の子どもたちにとっても欠かせないテーマです。

1.大人自身が「自分を信じる姿」を示すことの意味

子どもたちは大人の言葉以上に、大人の姿勢や生き方を敏感に感じ取っています。教師が周囲の顔色ばかりを気にしていると、その姿から「他人に合わせなければいけない」という学びを受け取ってしまいます。

逆に、大人自身が「自分を信じて行動する姿」を示すことで、子どもたちにとっての最高の教材となります。完璧である必要はありません。むしろ、失敗しても立ち直る姿、悩みながらも自分を信じる姿こそが、子どもたちに安心を与えます。

2.自己信頼感は「成功」だけでなく「失敗」から育つ

自己信頼感は、成功体験だけで育まれるものではありません。大事なのは、失敗したときに「挑戦した自分を認める」ことです。

授業が思うようにいかなかったり、子どもや保護者対応で悔やむ場面は、誰にでもあります。そのときに「自分はダメだ」と切り捨てるのではなく、「うまくいかなかったけれど挑戦した」「ここから修正できる」と受け止めることが、教師としても人としても大切です。

その姿を見せること自体が、子どもへの何よりのメッセージになります。

3.子どもたちもまた「他人の評価に揺れる存在」

教室にいる子どもたちもまた、友達の評価やテストの点数に振り回されがちです。「友達にどう思われているか」「この点数では自分には価値がない」と思い込んでしまう子も少なくありません。

だからこそ、教師や大人が伝え続ける必要があります。
「君は君のままで価値がある」
「他人と比べる必要はない」

保健室に来る子どもたちも、安心して「自分は大切な存在だ」と感じられる言葉を求めています。その言葉と関わりが、少しずつ彼らの表情を変えていくのです。

4.大人と子どもが一緒に育てていくセルフエスティーム

自尊感情(セルフエスティーム)は、一生かけて育ち続けるものです。大人だから完成されているわけではありません。大人もまた、日々揺れ動きながら、自分を信じる力を練習しているのです。

むしろ、その「練習中の姿」を子どもに見せることこそが、最高の教育になります。
「先生もまだ完璧ではないけれど、自分を信じる努力をしている」
その姿を見た子どもは、「自分も自分を信じてみよう」と思えるのです。

まとめ ― 自分を信じる勇気を、まず大人から

「他人の顔色はどうでもいい!自分の道を信じて進め!」という言葉は、決して自己中心的になれということではありません。むしろ、**「自分の価値を信じることから始めよう」**というメッセージです。

大人がまず、自分の価値を信じる勇気を持つこと。
その姿を通して、子どもたちに「自分を信じてもいいんだ」と伝えていくこと。

それが、教職員と子どもたちが共に自尊感情を育んでいく道です。

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