「Do Your Best!」が持つ力 ― アドラー心理学から考える

1. 忘れられない学級目標

よく考えると、私自身の義務教育時代で覚えている学級目標や級訓はほとんどありません。ただ一つだけ、今も心に残っているのが「Do Your Best!」という言葉です。

担任の先生は、この言葉を掲げた学級通信をほぼ毎日のように発行してくれていました。その通信は単なるお便りではなく、「今日も精一杯やってみよう」というエールのように響き、子ども心に不思議と勇気を与えてくれました。

2. プロセスを大事にする言葉

アドラー心理学では、人を「結果」で評価するのではなく「努力」や「取り組み」を認めることが、勇気づけになると説かれます。「Do Your Best!」は、「勝て」「失敗するな」といったプレッシャーではなく、「自分にできる精一杯を尽くそう」というプロセス重視の言葉です。だからこそ、重荷ではなく前向きな力を与えてくれるのです。

3. 自分の課題に集中できる

人はつい他者と比べて優劣を気にしてしまいます。しかしアドラー心理学は「課題の分離」を重視し、自分の課題に集中することを勧めます。「Do Your Best!」は、比較や評価から解放し、「自分にできること」に意識を向けさせる言葉として働きます。

4. 勇気づけのメッセージ

「Do Your Best!」は、単なる努力の要求ではなく「あなたの精一杯を信じているよ」という信頼のメッセージです。アドラー心理学の核心である「勇気づけ」の言葉として、失敗を恐れる気持ちを和らげ、挑戦する力を引き出してくれます。

5. 子どもに伝えたい言葉

今、私はこの「Do Your Best!」という言葉を、子どもに毎日のようにかけています。なぜかわからないけれど、私自身が子どもの頃そうであったように、この言葉を耳にすると不思議と勇気が湧いてくるのです。

シンプルで、心に残り、行動の合言葉になる――「Do Your Best!」は、世代を超えて人を支える力を持つ言葉なのだと実感しています。

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