「土日の朝早くからの送迎がなくなるなら、ありがたい」
「先生たちも大変だし、専門の指導者に見てもらえるなら安心」
そんな声を、保護者の立場から耳にする機会が増えた。部活動の地域移行。それは、学校の外に活動の場を移し、地域で子どもを育てていく新しい仕組み。働く親にとっては、送迎や連絡の負担が減り、効率的な仕組みに見えるのも事実だ。
だが、私は少し立ち止まって考えてしまう。
「この子は、誰に叱られるのだろう?」
「チームでの振る舞い、挨拶、ルールを教えてくれる人はいるのだろうか?」
「技術だけじゃなく、人として大切なことを教えてくれる大人は…?」
これまで、子どもが反抗期でも、不器用でも、寄り添ってくれたのは学校の先生たちだった。怒るでもなく、突き放すでもなく、根気強く付き合いながら、人としての道筋を照らしてくれていた。
コーチングによる生活指導の機能
インストラクターとしての機能
学校の先生方はその両方を行なっていたという事実に最近気づいた。
地域移行で、技術指導のプロがつくことはあっても、生活指導や人間関係の機微まで見てくれる人がいるのかは分からない。まして、指導者はボランティアか契約。誰が子どもの「心の成長」に責任をもつのかは、あいまいなままだ。
親が見えないところで、先生たちは“技術”と“人間”の両方を育ててくれていたのだと、今さらながら気づく。
部活動が学校から離れるということは、「子どもと社会をつなぐ中間領域」がなくなるということかもしれない。そこにあったはずの“安心感”が、音もなく抜け落ちていく気がしてならない。
便利さの裏で、私たち親は何を手放してしまうのだろう。
リスペクトを今更ながら…
しかし、もう遅い…失ってから気づくのか…
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