教室の座席配置をまずは変えてみよう できれば学校全体で

なぜいまだに“前向き一斉授業”?教育の当たり前を疑うと見えてくるもの

「そもそも、なんで教室って、いまだにみんなが前向いて座ってるんだろうね?」

そんな何気ない一言から、今日の話は始まった。年間1015時間も、子どもたちはただ前を向いて、教師の話を聞いている。その“当たり前”、ほんとに変えなくていいのか?

目次

【導入】教室に流れる1015時間という“空気”

1年間で、子どもたちが教室で授業を受ける時間は1015時間。この数字、想像以上に大きい。

その間、子どもたちは何をしているか?基本的に「前を向いて」「指示を受けて」「話を聞く」。これが日本の授業スタイルの基本形。

でも、この“座って話を聞くだけ”の空気、ずっとこのままでいいのか?というのが今回のテーマだ。

【対談】受け身の教育が育てる“指示待ち”人間

A:最近、「若い子って指示がないと動けない」とか言うけど、そりゃそうだよね。

B:だって学校で、1015時間も「受け身のトレーニング」してるようなもんだもんね。

A:「自分で考えろ」って言う前に、考えられる“空間”がなさすぎる。

B:環境が“指示を待つ”ように設計されてるのに、「主体性が足りない」とか言われるって、ちょっと理不尽だよな。

【なぜ?】前向き一斉スタイルが残る理由

じゃあ、なぜ今も昔も変わらず「前向き一斉授業」が残っているのか?理由はシンプルだ。

教える側が“管理しやすい”から。黒板を中心に全員が前を向く構造は、教師の話を一方向に届けるには都合がいい。教える側の「効率」が優先される結果、学ぶ側の「主体性」は置き去りになっている。

だけど、それって本当に今の時代に合っているのか?変わるべきなのは、まず“教室の空間設計”なんじゃないか。

【提案】座席を変えるだけで、学びは変わる

A:畑喜美夫さんも講演で言ってたよ、「座席を変えるだけでも学びは変わる」って。

B:コの字型やアイランド型(4人グループ)の配置にするだけで、子ども同士が自然に目を合わせるようになる。そこで“対話”が生まれる。

A:まずはさ、教室の座席を変えるとこから始めてもいいと思う。道具も追加コストもいらない。配置換えだけで、空気がガラッと変わるんだよ。

B:最初は少し戸惑うかもしれない。でも、「前を向かなくても学べるんだ」ってことに、子どもも大人も気づける。それって、すごく大事な一歩だと思う。

【根拠】佐伯ゆりこ『教えないスキル』から学ぶ

佐伯ゆりこさんの著書『教えないスキル』には、こんな言葉がある。

主体性を育てるには、まず“教室の環境”から変えないと始まらない」。

つまり、教え方や指導法を変える前に、「どんな空間で学んでいるか」が問われているということだ。

教師が教えることを手放し、子どもたちが学び合うためには、まずは“前向き一斉”という物理的な縛りを取り払う必要がある。環境こそが、学びを規定している。

【応用】主体性を育てるにはスポーツも同じ

この話、実はスポーツにも通じる。森保一監督のサッカー日本代表が実践しているのは、選手が自ら考え判断する「ボトムアップ型チームビルディング」。

一方的にコーチが指示するトップダウン型では、選手は現場で判断できなくなる。教育と同じ構造が、そこにもある。

【結論】“対話する教室”が未来をつくる

1015時間、前を向いて話を聞くことが、未来をつくるわけじゃない。その時間を、どう使うか。どう過ごすか。そこにしか、学びの本質はない。

教室は、指示を受ける場所ではない。対話し、思考し、主体的に動く場であるべきだ。

そしてその第一歩は、座席の配置を変えること。そこからすべては始まる。

▼関連タグ(クリックで一覧表示)

#教育改革  #主体性  #教えないスキル  #佐伯ゆりこ  #座席配置  #ボトムアップ  #森保一

コメント

タイトルとURLをコピーしました