夏休み前、学級で試せる「教育技能のタネ」10選
夏休み前。子どもたちの気持ちが少しずつ緩み、教室にも独特の空気が流れる時期です。
教師としても「まあこのままでいいか」と流してしまいそうになりますが、そんな時こそ、小さなチャレンジが効いてきます。
今回は、教育現場での「技能」につながる、試してみたい“小さな教育技術”を10個ご紹介します。
ポイントは、準備ゼロ・負担少なめ・でも確実に空気が変わること。
技術と技能の違い
まず、教育における「技術」と「技能」の違いについて、少し触れておきます。
- 技術:言葉で説明できる方法や工夫。誰かに伝えられる。
- 技能:体で覚えたコツや感覚。繰り返しや経験で身につく。
例えば、私は「こち」をYouTubeを見ながら捌いたことがあります。でも自信はありません。これは技術の段階です。
一方、たこ焼きは自信があります。大学4年間、某チェーンで焼き続けていましたから。これは技能になっています。
教育も同じです。
「こう言うと静かになる」「こんなタイミングで声をかけると動く」という技術を、何度も繰り返す中で、やがて“無意識にできる”技能へと変わっていきます。
知覚動考(ともかくうごこう)
知る → 感じる → 動く → 考える。
この順番が、教育技術を技能に変える基本です。
ともかく、うごこう。
教育技能のタネになる「小さな教育技術」10選
- 起立のスピードチェック(いち・にっ・さん)
気持ちよく立てると、クラスの空気が締まります。 - 着席のタイミングを揃える
「サッ」と一斉に座ることで一体感と緊張感が生まれます。 - コの字型座席配置にしてみる
見やすく、聞きやすく、話しやすい。集中しやすい環境になります。 - 姿勢リセットタイム(グーペタピンサッ)
合言葉で姿勢を整えると、教室の空気も一気に整います。 - 条件付き起立・着席
例:「ロイロノートを開いた人は起立」「前回のまとめを提出した人は着席」
行動の可視化と動機づけをセットにした仕掛けです。 - 話を聞ける姿勢になるまでの“秒数”チャレンジ
「5秒で全員、聞く姿勢に」とゲーム感覚で取り組むだけで空気が変わります。 - 机の上“ゼロチャレンジ”
「今使うものだけを出す」が徹底されると、思考も行動も整理されます。 - 丸つけスタイルを“並ばせない”に
並ぶとざわつきます。教師が回って静かに対応するだけで空気が落ち着きます。 - 「しましょう」言い換えチャレンジ
「してください」ではなく「やってみよう」「レッツゴー」など、巻き込み型に変えてみます。 - 一日の最後に「今日のベスト瞬間」を伝える
成長や気づきを教師の言葉で肯定的に締めくくることで、子どもは“見られている”と実感します。
まとめ
これらは、すべて言葉で伝えられる「教育技術」です。
そして、それを繰り返す中で自分の「教育技能」になっていきます。
技能を持ちたいなら、まず技術を知ること。
技術を技能に変える第一歩は、動くことから。
まずは、ひとつ。
あなたの教室で試してみてください。
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