岡田武史さんに学ぶ、選手の成長を促す「Want to コーチング」

指導者は指示を出すのではなく、選手の「Want to(やりたいこと)」を引き出す問いかけを常に意識する。
そのための基本となる3つの質問がこちら。
①どうしたの?
(現状を自分の言葉で説明させる)
・まずは現状を本人の口から語らせ、自己認識を深めさせるための問い。
・例:「今、何が起こった?」「どんな状況だった?」
②どうしたいの?
(これからの Want to を確認する)
・選手がこれからどうプレーしたいかを引き出す問い。
③手伝えることはある?
(サポートの必要性を確認する)

「何処へ蹴っているんだ!」という否定的な言葉ではなく、
①「どうしたの?」
②「で、君はどうしたいの?」
と問いかけることで、選手が自分で状況を理解し、次の行動を主体的に決定できるようになる。

Want toが言える、見える選手・言えない、見えない選手
・“Want to” がはっきりしている選手
→ 意図を深掘りして成長につなげる。
・“Want to” が見えていない選手
→ 状況を整理して見せ、考えるきっかけを与える。
・例:「さっきはこういう状況だったよね。」
・「見えてた?」
・見えていたら、どうしたい?)」
・フリーズコーチングを活用して、その場で止めて考えさせる。

⭐︎ミスを分解して考える

ミスが起きたら、まず原因を2つに分ける。
・技術
例:箸の持ち方のように、基本的な操作ができていない。
・技能
例:技術はあるが、状況に応じて使いこなせていない。箸を使ってはべることができるのが技能がある状態。

・適当に蹴る=技能が身についていない証拠。
・これはメンタル面にも直結する。

⭐︎一対一から「絶対負けたくない」気持ちを育てる

まずは一対一からスタートし、勝ちたい気持ちを引き出す。
問いかけ例:
・もっと簡単に点を取るには?)

⭐︎考えを引き出すことで、主体的なプレーにつなげる。
・発展:2対1でずる賢さを育てる
①「どちらかに1人増やす」という問いかけで、ボール保持側を有利にする。
②ポイント
・周りを見る力を育てる
・後ろに並びつづけさせるのではなく、どんどんスタートさせる。待たせる時間は無駄。見て学ぶこともあるが…とにかく、Doの確保を!
・ぶつからないように工夫させる
・ずる賢さ(したたかさ)を伸ばす

⭐︎ゴールを2か所にして考えを広げる

・ゴールを2つに増やすことで、選手は常に状況を判断しながらプレーする習慣を身につける。

まとめ
・ああしろこうしろという指示ではなく 問いかけて“Want to” を引き出すことで、選手の主体性が育つ。
・スタートは 「どうしたの?」 で現状を自己認識させる。
・そこから 「どうしたいの?」 で意志を引き出し、
最後に 「何か手伝えることある?」 で伴走する。
・技術(Technique)と技能(Skill)を分けて原因を分析する。
・「理解 → 意志 → サポート」の順番が、選手の成長の起点となる。

以下、岡田さんの考え
https://running-therapist.com/archives/6516
岡田武史さんが学園長を務める FC今治高等学校 里山校(通称:FC今治高校)の教育では、先生ではなく「コーチ」として生徒に接し、以下の 3つの問いかけを重視しています。
①「どうしたの?」
②「で、君はどうしたいの?」
③「コーチに手伝えることある?」

これらの問いかけによって、 生徒が自ら考え、主体的に行動する力 を育む方針が採られています 。

ポイント整理
・教師 → コーチという呼称によって、より対等で支援的な関係性を強調。
・最初の問い「どうしたの?」は、現状を自分の言葉で整理させ、自己認識を促す重要なステップです。
・次の「どうしたいの?」で自身の意思を言語化させ、行動に移す力を引き出す。
・最後の「何か手伝えることある?」で、必要に応じた支援を示し、安心感や信頼感を確立する。
にも近い「信頼を基盤にした問いかけ型コーチング」の実践といえる。

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