“対話の教室”をつくるということ——なぜ机をコの字にするのか?

読んでほしい人:
・学び合う授業をやってみたいが、どう始めればよいかわからない人
・「コの字型配置」の意味をまだよく理解していない人
・子どもの学びの深まりに悩んでいる人

今号で得られること:
・「机の配置」がもたらす学びの質の変化に気づける
・対話が生まれる授業づくりの第一歩を踏み出せる
・子どもたちの“顔”を見ながら進める授業の意味を実感できる

タグ: #学び合い #コの字型配置 #初任者研修 #対話的な学び #授業観

目次

  1. なぜ、教室を「コの字」にするのか?
  2. 学びは“蜘蛛の巣状”にひろがる
  3. 憧れと出会いから始まる
  4. 今号のポイント

なぜ、教室を「コの字」にするのか?

「机をコの字にして」と言われても、最初はピンとこない。それが正直なところだと思う。 でも、たかが配置、されど配置。教室に漂う空気が変わる。いや、空気が“語り出す”。

職員会議って、ほとんどロの字型かコの字型になってるよね。みんな自然と、互いの顔が見えるように座る。あれって、実は“対話の前提”なんだよね。 なのに、子どもには前向きで話せって? そこ、ちょっと矛盾してるかもしれない。

学びって、一方通行のレクチャーじゃないはずなんだ。子どもが話して、別の子が頷いて、また別の子が「でもさ」と返す。その繋がりの中に、学びの深まりがある。 その「交差」や「連鎖」が、机の配置ひとつで変わる。

学びは“蜘蛛の巣状”にひろがる

配置をコの字にしてみると、目の前の景色が変わる。子どもが語り出すと、周囲が反応する。 頷き、つぶやき、ひそやかな「それ、いいなあ」。

学びが「1対1」でもなく「教師対全体」でもなく、「蜘蛛の巣状」に広がっていく——そういう空間が自然に立ち上がるんだよね。 もちろん、配置を変えただけでうまくいくとは限らない。でも、「語ってもいい」「聴いてもらえる」っていう前提が、まずは空間に宿る。それが大きい。

そして、もう一つ忘れちゃいけないのが、「問い」。教師がすべてを伝え切るのではなく、子どもが考えを出し合いながら学び合う。その入口に立つには、やっぱり「向かい合う」構造が必要なんだよね。

憧れと出会いから始まる

50年前の島小学校で、すでに当たり前のようにコの字型だったという話、知ってる? 斎藤喜博先生の授業は、まるで劇場だった。いや、もっと静かで、でも熱い何かが流れていた。

それを見た若い教師たちは、“憧れ”から走り出した。私も、そうだった。 教育って、結局は「誰に出会うか」「何に心を動かされるか」なんだよね。

コの字型にしたとき、子どもたちの表情が変わる瞬間がある。考えが交差して、笑いが起きて、誰かが「おお」と声をあげる。そんな時間の積み重ねが、クラスを変えていく。 最初は真似でいいんだ。そこから、自分なりの形になっていくから。

今号のポイント

  • 机の配置は授業観を映す鏡。「前向き」は一方向、「コの字」は対話と共創の入り口になる。
  • 対話を生むには“顔が見える”ことが不可欠。配置が空気を変える。
  • 憧れから始まる実践には力がある。まずは「真似」から、自分の授業を育てていこう。

――あなたの教室にも、対話の息づかいを。

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