今日の試合を見ていて、あらためて感じたことがあります。
それは、「声のかけ方一つで、子どもの行動が変わる」ということです。
たとえばある場面。パスのタイミングが合わず、相手にボールを奪われてしまった子に、すかさず「なんでそこに出すの!」という声が飛びました。
でも、その直後のプレーを見ると、その子は消極的になり、パスを出す場面でも迷って動きが止まってしまっていました。
一方、別の場面では、ドリブルで抜き切れずにボールを失った子に、こんな声がかかっていました。
「今のチャレンジ、惜しかったな。次どうする?」
その子は頷いて、次のプレーで仲間と連携してゴール前に切り込んでいました。
プレーの内容よりも、「声かけによって、その子が次にどう動くか」が、実はチームにとって大きな違いを生むんだなと気づかされました。
もちろん、「そういうこと言っちゃダメだよ」と言いたいわけではありません。
つい熱が入って、ああ言ってしまった、という場面、誰にでもあります。
でも、僕らが本当に育てたいのは、「言われたことをこなす選手」ではなく、「自分で考えてプレーする選手」のはずです。
子どもに「Aをしてほしい」と思うなら、「Aをしろ!」ではなく、「Bと声をかければ、Aという動きが引き出される」という発想が必要なのかもしれません。
たとえば──
• 「もっと早く出せ!」ではなく「仲間、見えてた?」
• 「なんでそこにいたんだ!」ではなく「今、どこが危なかったと思う?」
• 「そこじゃない!」ではなく「次、どこで受けたいと思った?」
僕らが“プレーヤーのコントローラー”を握るのではなく、“プレーヤーが自分のコントローラーを手にできる”ような関わり方を意識していけたら、きっとチームの姿も変わっていく。
今日の試合は、そんなことをあらためて感じさせてくれました。
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