「あの子のためだけに、もう一度入学式をやろう」
「入学式当日、インフルエンザで休んだ子のために、先生たちが1人だけの入学式を開いた──」
そんな実話が、SNSで大きな反響を呼びました。
主役は、特別なことではなく、「1人の子どもに心を寄せた先生たち」です。
この記事では、このエピソードを通して、改めて「教師の仕事の本質」について考えてみたいと思います。
この記事はこんな先生に読んでほしい
- 子ども一人ひとりに目が届かず、日々の忙しさにモヤモヤしている
- 学力テストや評価ばかりに追われて、「何のために教えているんだろう」と感じている
- 教員として、もっと“子どもの心に残る仕事”がしたいと思っている
- 学校文化や行事を、「形」より「意味」でつくりたいと感じている
【対談】「1人の入学式」から見えた、教師として本当に大切なこと
登場人物
・田中先生(現役小学校教員)
・山本先生(元教務主任・現教育委員会勤務)
田中先生:
「1人の入学式」の記事、私、思わず涙が出ました。入学式を休んだ子のために、校長先生と担任の先生がもう一度、入学式を開いてくれたんですって。紙飛行機まで飛ばしてくれて。
山本先生:
私も読みました。感動しましたね。あれって、派手なイベントじゃないけど、あの子にとっては一生忘れない記憶になると思うんです。教育って、本来そういうものですよね。
田中先生:
でも私、最近ちょっと見失いかけてたかもしれません。テストや評価に追われて、子どもにちゃんと寄り添えてたかなって…。
山本先生:
そう感じること自体が、田中先生が“本物の先生”だってことですよ。今は「見える成果」に目がいきがちだけど、本当に残るのは、ああいう“心に残る場面”なんです。
田中先生:
学校全体の雰囲気も関係ありますよね。校長先生も一緒にやってくれたって聞いて、すごく素敵だなって思いました。
山本先生:
まさにそこなんです。「1人を大切にする文化」が学校にあるかどうか。それって、日々の“小さな一手間”の積み重ねでできるんですよ。
子どもが「明日も行きたい」と思える学校とは?
田中先生:
一手間…って、例えばどんなことですか?
山本先生:
・子どもの目線にしゃがんで話を聴く一手間
・教室をちょっと丁寧に整える一手間
・「ありがとう」を口に出す一手間
・行事に“意味”を持たせる一手間
そういう積み重ねが、子どもにとって「ここは大事にされている場所なんだ」って感じさせるんです。
田中先生:
なるほど…。すごいことをしなくてもいいんですね。日々の中で「この子の人生に関わる仕事」をしているんだって、改めて感じました。
「愛される学校」は、一手間でつくられる
私たちが目指すべき学校とは、こんな場所かもしれません。
- 子どもが「明日も行きたい」と思える学校
- 保護者が「ここに通わせてよかった」と感じられる学校
- 地域の人たちが「私たちの誇り」と思える学校
- 教職員が「この学校で働けて幸せだ」と思える学校
それは決して、大きな改革でつくられるものではありません。
子どもに寄り添う一手間、日々のていねいな積み重ねが、学校という場所を「教育の場」から「かけがえのない居場所」へと変えていくのです。
教師として大切にしたい3つのこと
- 「一人のための行動」に、教師としての誇りが宿る
- 学校行事は“進行”よりも“子どもの物語”を大切にする
- 学校文化として、やさしさと裁量を支える風土を育てる
まとめ:数字には見えない「大事なこと」がある
子どもにとって一生の思い出になるような出来事は、学力調査にも通知表にも残りません。
でも、そういう瞬間を支えるのが、私たち教師の“本当のしごと”なのだと思います。
忙しさの中でふと立ち止まり、「この一手間が、この子の未来にどう残るか」を考える。
それができる学校でありたいし、教師でありたいと、改めて思いました。
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