今の職場の仲間は日々丁寧に仕事を積み重ね、子どもたちのために尽くしている先生方ばかりだ。
それでも、なぜか「何かが変わらない」という感覚が残る。
それは、おそらく“人”ではなく“環境”の問題ではないか。
私たちは気づかぬうちに、教室や職員室の「デフォルト」に縛られている。
たとえば、黒板の前に立って話すこと、前向き一列の座席、指導案通りの授業、評価のつけ方──。
それらは誰かが決めた“設定”であって、“真理”ではない。
しかし、そのデフォルトが長く続くと、人はそれを「普通」だと思い込む。
バイアスがかかっていること自体に、気づけなくなる。
つまり、私たちは「環境を変える」という最も有効な薬の存在に気づいていないのかもしれない。
変化は、人を否定することではない。
むしろ、今ここにある努力を、より活かすための処方箋だ。
デフォルトを一度疑ってみる。
座席の並びを変える、会議の進め方を変える、評価の軸を変える──。
小さな変化が、思考の風通しを生み、子どもも教師も新しい姿を見せ始める。
環境が変わると、人は変わる。
人を変えようとするより、環境を変えるほうが、ずっと早くて優しい。
その気づきこそが、今の職場をより良くする第一歩ではないだろうか。

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