試合に出られない選手が輝き出す。部活の“埋もれ組”を救う、チーム内ミニゲームという方法
部活動でよく聞くセリフがある。
「どうせ俺、試合出られないし…」
これは、指導者にとってもなかなか切ない。がんばれとは言えても、その選手が「がんばろう」と思えない現実がそこにある。
特に大人数のチームになると、こうした“埋もれ組”はどうしても出てくる。そして、彼らが静かにモチベーションを失っていくのは、チーム全体の成長を確実に鈍らせる。
実は、そこを逆手に取る方法がある。
それが、チーム内5人制ミニゲームによるリーグ戦の導入だ。
目次
「教わる」から「考える」へ。育成のモードが切り替わる
このミニゲームの一番のポイントは、選手を「自分で考えるモード」に切り替えることにある。
指導者があれこれ指示するのではなく、選手自身が戦術を考え、試してみて、また修正して…と、試行錯誤のループに自然と入っていく。
気づけば、「もっと上手くなりたい」「次は勝ちたい」が口グセになってくる。
これって、育成の本質じゃないか?
「自分で動く選手」が育つ環境は、実はこうやってつくれるのかもしれない。
持ち点制でチーム編成もフェアに
もちろん、課題がないわけじゃない。
たとえば、メンバー分けをどうするか。これは案外、空気が悪くなる原因にもなる。
だからこそ、スキルに応じて選手に“持ち点”をつけてチーム編成を行うという方法がおすすめだ。これなら強い選手が偏ることなく、バランスの取れた試合が成立する。
そして、もう一つ大事なのが人間関係への配慮。
競争が激しくなるとギスギスしがちだが、「互いに認め合い、刺激し合う環境づくり」こそ、指導者として腕の見せ所だと思っている。
勝つために蹴落とすんじゃなくて、勝つために支え合う。
そんな空気をどうやって育てていくか。実はミニゲームは、そういうマインドセットの訓練にもなる。
ミニゲームリーグ戦で、チーム全体が動き出す
このシステムの良いところは、「選手が自分で育つ習慣」を持てるようになること。
言われたことだけをやるんじゃない。自分で考えて、行動できる。これができる選手が増えれば、チームの底上げは一気に進む。
そして何より、
毎日の練習に「意味」が生まれる。
「公式戦のメンバーを勝ち取るには、ここを頑張るしかない」
そう思えるようになったとき、彼らは本当に変わる。
結局、強いチームってこういうことなんじゃないか?
どんなにすごいエースがいても、周りが動かなければ勝てない。
そして、周りを動かすのは、監督の言葉でも、コーチのメニューでもない。
「やってやる」という選手の内なる火種だ。
ミニゲームでその火を灯してみるのは、悪くない選択だと思う。
実際に試してみたら、その変化の速さに驚くはず。
「出られないから、やらない」から、「出たいから、やる」へ。
そんな空気を、チームに広げてみてほしい。
※気に入ったら、また読みにきてくれたらうれしい。次はもっと“ぶっちゃけ”た話でもしようと思ってる。
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