なぜ

「どうしたら」ではなく「なぜ」と問い直す 〜堀裕嗣さんの言葉を胸に〜

教師になって数年目。
あれほど楽しみにしていた担任の仕事が、こんなにも苦しく感じるなんて――。
そんな戸惑いのなか、あなたは今、もがいているのかもしれません。

立ち歩く子、話を聞かない子、学習に取り組まない子。
どんな授業をしても、どんな工夫をしても、手応えが得られない日々。

「どうしたらあの子が立ち歩かなくなるのか」
「どうしたらあの子が集中してくれるのか」
「どうしたらあの子が漢字を覚えられるのか」

一生懸命に考えているあなたの姿が、目に浮かびます。

でも、堀裕嗣さんは、こう問いかけます。

私たちはつい「どうしたら=〈HOW〉」と方法ばかりを探してしまう。
けれど、それでは本質に迫れないことがある。
大切なのは「なぜ=〈WHY〉」と問い直すことだ――と。

・なぜあの子は立ち歩くのだろう。
・なぜ集中できないのだろう。
・なぜ学ぼうとしないのだろう。

〈WHY〉と問い直すことで、子どもに目を向け、自分の教室にしかない文脈を掘り下げていくことができます。
そこに答えがあるかどうかはわからなくても、「知ろうとする姿勢」そのものが、教室に風を通していくのです。

「子どものせいにしない。けれど、自分のせいにもしない教師であれ」と。

うまくいかない授業や荒れた教室を前にすると、私たちはつい、
「この子が悪い」と子どものせいにしたくなります。
また逆に、「自分には力がないんだ」と、自分を責めたくもなります。

でも、そのどちらも、教室の再生にはつながりません。
責めるでも、諦めるでもなく、「なぜ」と問い続けながら前に進むこと。
それが、教師としての成熟への一歩です。

今は、苦しいかもしれません。
でも、この問い直しが、きっとあなたの教師人生を大きく支える礎になります。

子どものせいにせず、でも自分を責めすぎず、
「なぜ」と問いながら、子どもに向き合い続ける教師でいてください。

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