# 子どもたちの「勝ちたい気持ち」を、どう育てるか
──あるサッカーチームのコーチ・保護者ミーティングで見えた育成のかたち──
ある夜のコーチ・保護者ミーティング。
そこでは、チームが抱えるいくつかのジレンマが率直に語られていました。
「勝たせてやりたい。でも、受け身にはなってほしくない。」
「負けに慣れさせたくない。でも、子どもの主体性は失わせたくない。」
この対立するように見える願いの数々。
でも話し合う中で、実はそれらが一本の軸でつながることに、私たちは気づいたのです。
キーワードは、
「子ども自身が、自ら考え、選んだ結果として勝ちも負けも受け取る」という育ちのプロセス。
この気づきを踏まえて、私たちが共有した方向性を3つに整理しました。
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## 1|目指すのは「勝つチーム」より「応援される人」
活動の目的は「勝つこと」ではなく「成長すること」。
もちろん、勝利は嬉しい。
でも、それ以上に大切にしたいのは、
自分で考え、自分で動いた末に何を感じ、どう学んだか。
勝っても学びがある。負けても意味がある。
そうした経験を重ねていく中で、子どもたちは、
地域に応援される存在へと育っていきます。
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## 2|振り返りの主役は子どもたち
試合の後、大人が一方的に振り返りを語るのではなく、
「選手の言葉で振り返る時間」を大切にすることを確認しました。
> 「今日、自分たちでどこをよくできた?」
> 「次、どうしたい?」
こうした問いを投げかけることで、
受け身にならず、自ら成長のきっかけをつかむ力が育ちます。
だから、ミーティングはあくまで子どもたちが中心。
それが、次への一歩につながるのです。
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## 3|選ぶのは子ども。広げるのは大人の役割。
「自分で考えろ」と突き放すのではありません。
でも、「こうしなさい」と正解を押しつけるのも違う。
だから大人は、
– 「こんなやり方もあるよ」
– 「他のチームではこう工夫していたよ」
と、視点や選択肢をそっと差し出します。
そのうえで、
「君たちはどうしたい?」
と問いかける。
選ぶのは子どもたち自身です。
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## 4「勝ちたい」と思える環境を
勝ちたい。悔しい。挑戦したい。
そんな気持ちは、自分で考えて行動できるからこそ芽生えます。
私たちは、子どもたちが「勝ちたい」と本気で思い、
その気持ちに“自分で決める自由”と“責任”をのせていけるような環境づくりを目指しています。
技術や戦術だけではない、
考える力・挑戦する姿勢・感情との付き合い方といった非認知能力も、
このサッカーの現場で確かに育っています。
この取り組みに、ぜひこれからも温かな応援をお願いします。
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