あなたの言うことは正しい。ただ、前提が間違っている以外は。②

シェークスピアのこの言葉ほど、教育やスポーツ指導の本質を突くものはない。

私たちは「主体性を育てたい」と口にするが、その前提となる構造が受け身のままでは、どんなに方法を工夫しても本質は変わらない。

今回、NHKで放映された畑喜美夫氏のボトムアップ指導の映像が示したのは、まさにその“前提の転換”である。

指導者の周りに集まる形ではなく、選手が輪をつくる構造。

指導者はその中に入り、対等な関係で学び合う場が立ち上がる。

その瞬間、練習は「やらされる時間」から「自分たちの時間」へと変わる。
選手一人ひとりの目線が交わり、思考が動き、判断が生まれる。
この構造は、自己決定力・協働的対話力・メタ認知力といった、
まさに「主体的・対話的で深い学び」の根幹を育む。

革新は、方法論ではなく構造への気づきから始まる。

選手の輪で始まるこの指導は、教育のあらゆる現場に問いを投げかけている。

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