「寄せろ」と叫んだ後、自分でふっと胸に手を当てて自戒するコーチがいました。
その姿に、僕は希望を感じました。
気づけるということ。それは、次の一歩が踏み出せるということです。
コーチが目の前のプレーに熱くなるのは当然のこと。
けれど、その一瞬の声が、選手の判断を奪ってしまっているかもしれません。
私たちが選手に身につけさせたいのは、
「言われたから動く力」ではなく、
「状況を見て、どうすべきかを判断し、動ける力」です。
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たとえば、「使った場所をきれいにさせたい」と思ったとき──
– ❶ 受動的:「ゴミを拾いなさい」
→ 指示されたから拾う
– ❷ 自主的:「自分の使った場所は片づけよう」
→ 自分の行動として片づける
– ❸ 主体的:「自分の仲間が気持ちよく過ごせるように、気づいた人が行動しよう」
→ 状況を見て、全体のために動ける
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選手にも、こんなふうに育ってほしいと思いませんか?
だったら、「AさせたいならBと言う」。
それが、私たち大人の側にできるコーチングです。
「寄せろ」と言いたくなったとき、
「今、どうするべき?」
「相手がボールを持ったとき、何が大事?」
そんな問いかけに変えてみる。
判断を渡すことで、選手は考え、動き出します。
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けして、指示や命令が悪いわけではありません。
ただ、それ「だけ」になってしまうと、選手の中に判断力や主体性は育ちません。
だからこそ、僕たち大人が、
「指示」ではなく「問いかけ」を。
「命令」ではなく「環境」を。
一緒に、そんなチームを育てていきましょう。
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